


6月14日に窯焚きした作品。15日(土)梅雨の最中、朝の雨が小降りの間をみて窯出ししました。雨が当たらないように直ぐに部屋の中に移動しました。今回は1230℃で40分ねらしをしましたが、この間に時折1235℃まで上がることがあったため少し高めの温度で焼いたことになります。結果は胎土の色にもはっきりでました。流れやすいS釉(土石白萩釉)は珪石を増やした結果なのか流れたものはありませんでした。ただ、いつものS釉とはだいぶ雰囲気が違います。今回の色も悪くないと思います。新作の籾灰釉はほぼ予想通りに発色しました。また生徒さんが作った紺色の釉も溶け具合が良くいろいろな土に合いそうです。
今回窯出しした生徒さんの作品を掲載いたします。
【AKさんの作品】

先月から入会された方です。紫月窯では初めてなので湯呑み茶碗を二つ作っていただきました。手際良くバランスのとれた作品ができました。赤土にオリジナル土石白萩風釉(S釉)を掛けました。


ご自宅で作られた抹茶茶碗。手捻りとは思えないほど芯がとれ、完成度の高い作品です。
シンリュウの赤7号に紫月窯オリジナルのS釉を掛けました。赤7号との組み合わせは初めてです。
【SYくんの作品】
小学3年生のS君の作品です。左の湯呑みは前回土灰釉をかけ還元で焼いた作品とのペアーです。今回はS釉をかけ酸で焼きました。右のマグカップは信楽の赤土を使い同じS釉を掛けました。土の違いで釉の発色が随分と違うことが良く分かります。
【IYさんの作品】

入会して最初のペアーの湯呑みの作品です。陶芸はもちろん美術全般にたいへん関心がおありでとても熱心に作陶されいろいろな冒険をされています。この作品に使った釉は化粧土と釉の中間のようなものです。土ですから溶けないのでマットになりますが釉の効果もあって剥がれてしまうことはありません。茶色の加色は鉄釉です。コントラストが強い意外性のある組み合わせです。

2回目の作品は取っ手のついた物。冷めた飲み物を早く温めるのに底を広くした形を試みました。たいへんユニークなマグカップです。


花器を作っていただきました。こちらもオリジナリティーのある作品です。挿した花の茎が見えるようにしました。全体は化粧土と釉の中間的なものを使い完全なつや消しの白ですが、ディテイルにいろいろな工夫が施されています。
【MOさんの作品】

電動轆轤びきのマグカップです。赤土にS釉をかけました。この釉は流れやすかったので珪石を多めに調合仕直しました。焼成温度が少し高めでしたが流れることが一切なく安定して使えることが分かりました。

こちらと赤土にS釉の組み合わせです。使い勝手の良い大きさの器です。


お玉置きです。京呉須でナスの下絵付けが描かれています。絵付けがあまりはっきりしないように既製の乳白釉を掛けました。前回のものとは違うメーカー、もっと薄めに溶いた方が良かったのか、もう少し絵がくっきり出た方が良かったかもしれません。既製の釉は企業秘密なのか材料が書かれて無いのが難点だと思います。すべてオリジナルの釉に移行していきたいと考えています。
【NFさんの作品】

信楽の白土にS釉を掛けた一輪挿しです。口の部分に表情を持たせたり、肩のところにしのぎで加飾したり何気無い工夫をして作られています。
【MMさんの作品】

透過性磁器土を轆轤挽きした極めて薄く作られた作品です。写真だと分かりにくいですが既製のトルコ青釉、これほど鮮やかな青になったのは初めてです。磁器の白さが反映されたのと、ガス釜ですと若干還元ぎみになるのですが充分酸素を含んだ炎による結果だと思います。流れやすいトルコ青釉、ほんの少し流れましたが釉の厚さもちょうど良かったと思います。


MMさん自作の釉を使いました。今までも基礎釉を元にご自分で釉を作ったことはありますが、今回は初めて長石、天然土灰、カオリンに呉須の原料を調合して作りました。暗い紺のような青い釉をイメージしました。テカリの無い良い感じのデリケートな半ツヤも良いです。今回は赤土に施釉しましたが白土との組み合わせを見てみたいと思います。
【MUさんの作品】

信楽の粗めの土に部分的に白化粧を施し、トルコ青釉を掛けました。土の中から掘り出された様な古陶器のような作品です。トルコ青釉の派手さがなく、磁器にかけたのとは別物のようです。難しい大きめなお皿、轆轤挽きも上達してきました。

今、若い人に人気のキャラクターのシンボルマークだそうです。アメリカ製の下絵に厚くん使っても、上絵にも使える絵の具で彩色しました。作者曰く「元気の出るごはん茶碗」だそうです。

写真では分かりにくいですが、本人持ち込みの既製の白結晶釉を使った茶碗です。既製のものなので成分が分かりませんがほぼマットな色付きの無い細かな結晶釉です。

もぐさ土を轆轤引きした茶碗です。S釉を施釉しました。

粗目の信楽土を使ったビアマグです。釉はS釉、白土との組み合わせにも使えるキャパシティーの大きい釉です。
【MKさんの作品】

赤土にS釉を掛けたコーヒーカップ。今回は調合の割合を変えたのか焼成温度が若干高かったのか今までのS釉とは違った表情になりましたが、良く焼きしまった強さのある作品です。

手捻りの温かさのある小さなお皿2点。左は鉄釉、右はS釉のを施しました。醤油皿などいろいろな用途に使えそうです。

器の上部にポンスで小さな丸い穴を開けたお洒落な器です。土を変えてS釉を施したものと鉄釉の上にS釉を部分的に二重掛けしました。

多角形に面取りした手捻りのコップ。手捻りの温かさが良いです。ずっと使いたくなる作品だと思います。
【私の作品を少し】

最近作った籾灰釉の試作です。藁灰よりも珪酸の度合いが強いとのことで以前から興味があり調合してみました。平津長石30、なら灰30、籾灰40と外割で釉の粘りを出し沈殿を抑えるためにペントナイトとマグネサイトを加えました。天然の藁灰で白萩釉を作る試みを何度も行いましたが何故かみな上手くいかなかったのですが、籾灰ではほぼ予想どおりの色がでました。1235℃の焼成でつやや溶け具合も良い結果がでました。天然の材料の場合、産地や灰を蒸し焼きした温度や方法などかなりのばらつきがあるのではと思います。

下に自作玉石釉を薄掛けし、籾灰釉を二重掛けしたものです。ほぼ予想どおりの発色です。

これも藁灰を使った試作です。下に鉄釉を薄掛けし籾灰を二重掛けしました。
